パンデミックやウクライナ戦争、気候変動、AI技術の急速な進展、オールドメディアとSNSの対立と情報の錯綜などの昨今の社会情勢は、予測困難で複雑な状況が当たり前になりつつある現実を私たちに突きつけています。
既存の知識や理論、ネット空間上に落ちている情報だけでは対応しきれない課題がに向き合う強さを持つため、いまこそ実体験に基づく学びを。
今年も、課題を抱える地域を対象とし、そこで活動する組織に対して提案を行います。現場を観察し現地の人々と対話し、自ら手を動かし、他者と協働する試行錯誤のプロセスの中で「生きた判断力」「応用力」「共感力」を育みながら、デザインにが社会のためにできることとは何か、模索しましょう。
コペンハーゲンをその目で見てその足で歩き、現地の人や共に参加した仲間と会話し、 音を聞き空気を吸い匂いとともに経験の全てを記憶に刻んでもらいたいと思います。 きっとその先の人生の選択に変化が訪れるはずです。実体験を通した学びは、他に代えられない価値があります。
募集人数:18-20人
対象者:デザイン(分野は問わない)やまちづくりを学ぶ学生
※学生の期間がより限られている学生(B3,4/M1,2)を優先します。
※レクチャーなどは基本的には日本語に訳しながら進めます。ただし、英語でコミュニケーションをとる機会は必ずありますので、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢を持ってご参加ください。
申込みには、モチベーションレター(日本語)やポートフォリオなどをまとめた参考資料を提出してください。
・ファイル名:[申込月日_セイ_メイ](例:0620_ヤノ_タクミ)
・データ容量:2MB以内
・データ形式:PDF
・サイズ:A3横
※これは、2MBという限られたスペースの中で何を表現するかを投げかけるものです。2MBを超えるデータへのURLを資料に貼った場合、そのURLのデータは考慮しません。ただし、ウェブデザイン能力やプログラミング能力、動画編集能力等をアピールしたい場合に限り、それらのデータ容量に関係なく関連URLを資料内に貼ってください。
全体スケジュール
6.10 申し込み受付開始
6.20 23:59 一次募集締切
6.23 参加者決定通知(12-15人決定)
7.02 23:59 二次募集締切
7.05 参加者決定通知(4-8人決定)
7.19or20 20:00 オンライン打ち合わせ(全員)
8.08 09:00 プログラム開始
8.27 21:00 プログラム終了
費用
参加料:140,000円
その他ご自身で負担いただくもの:
- 航空券(momondoかSkyscannerで探す人が多いです)
- 宿泊代(DownTownHostel, Urban Camper Hostelがお勧め)
- コペンハーゲン内での交通費、食費など
- 現地SIMカードまたはモバイルwifi
- 参加費振込時の手数料
- 旅行保険
※ 振込先などの詳細は、後ほどお送りするウェルカムレターをご確認ください。
スケジュール
宿泊先
現在宿泊先として、一般住宅を貸し出してくれる方々に連絡を取っています(7日チェックイン、28日チェックアウト)。確保でき次第随時更新していますが、全員分確保できるかはわかりませんので、基本的にはご自身で宿泊施設を確保しておいてください。以下のような、フリーキャンセルが可能な宿泊先を予約しておくと良いと思います。DownTownHostel, Urban Camper Hostelなどがおすすめです。
全員分確保できなかった場合、抽選となります。なお、一棟貸しの場合は原則として男女共同(部屋別)となります。
1.コロニヘウの家 6部屋6人(一棟貸) 104,000円/人
2.アマーブロの家 2部屋4人(一棟貸) 102,000円/人
3.ノアブロの家 1部屋2人 83,000円/人
4.スンビューの家2部屋4人(一棟貸) 98,000円/人
Discovering Communal Tectonics for Social Sustainability
コペンハーゲン市では、課題が集積する地域を対象として「地域再生事業」が実施されている。地域再生事業の対象地域に選定されると、市からの助成金で5年間にわたって様々な再生プロジェクトが実施される。
ノアブロ地区西端に位置するビスペンゲン(Bispeengen)は、2023-2028年にわたって地域再生事業対象地域に選定されており、初年度に作成された計画に基づき2024年から様々なプロジェクトが並行して推進されている。
Collaborative Project Between Government and Residents
地域再生事業は、行政職員の建築家や人類学者などによって構成されるまちづくり組織と、住民投票によって選出された住民が組織する運営委員会が共同で推進する。JaDASでは前者のまちづくり組織に対し、地域再生事業をサポートする提案を行う。
クライアント組織の中心人物である建築家のシセ氏は、運営委員会と各プロジェクトを実施するプロジェクトチームの間を取り持ち、行政側の意見も組み込みながら事業全体を舵取りしている。JaDAS2025においても、シセを中心とするクライアント組織とコミュニケーションを取りながらデザインしていく。
Project in JaDAS2024
JaDAS2024では、ビスペンゲンとその周辺エリアをフィールドワークし、植生、グラフィティ、駐車/駐輪、破損物の4つのエレメントのマッピングから地域の課題やポテンシャルを分析した。5つのチームに別れ、チームごとに課題やポテンシャルを絞り提案資料を作成した。
各チーム、地域全体のマスタープランを描きながら、細かくエリアを区切り具体的な提案を作成した。エリアごとの提案は、1日でできる小さなアクションからコストを掛けて実施する長期的な整備にかけて3つのフェーズに分けることで、具体的な変化のプロセスの共有を図った。
Project in JaDAS2025
JaDAS2025では、地域の中でも昨年あまりフォーカスが当たらなかった2つのエリアを対象とし提案する。
Public Playparkは子どもの遊びを支援する行政職員が常駐する公園のことをいう。ビスペンゲンのPublic Parkは自然が豊かである一方で、通りからは公園の存在が目立たず利用率が低いことが課題となっている。
Borups Squareはビスペンゲン最南端に位置する広場であり、面する集合住宅のグランドレベルには特徴的なアーチがかかっている。ウォーカブルな都市形成の推進により道路幅員を狭め、広場空間が拡張される構想があるが、空間の変化に伴って人々の広場の使い方も変化するプロセスが必要とされている。
いずれの空間もビスペンゲンのエッジの一端を成している。地域内外を貫く人の動線や、多様な生活スタイルを持つ人々の顔が見える居場所を創出し、社会的に持続可能なコミュニティを醸成するテクトニクスの提案が求められている。
Organisers
Kanji:矢野拓洋/ Founder of JaDAS/ Co-founder of IFAS/ Assistant Professor at Toyo University, Faculty of Design for Welfare Society, Department of Human Environment Design. Graduated from Bath University Master of Science in the UK, worked in Denmark as an architect from 2014 to 2017 with establishment of JaDAS in 2015. Started Ph.D at Tokyo Metropolitan University in 2018. Publication 'タクティカル・アーバニズム'(学芸出版社: 2021), 'フォルケホイスコーレのすすめ' (花伝社: 2022), 'パブリックスペース活用事典'(学芸出版社: 2023). 日本建築学会教育賞(2024).
Nanna Benedikte Leth is a Danish architect (MAA, MDL) with a strong interest in the intersection between architecture, landscape, and social responsibility. She holds a Bachelor in Radical Sustainability from Aarhus School of Architecture, where she received the Danish Association of Architects’ Bachelor Grant, and recently completed her Master's in Architecture & Landscape at the Royal Danish Academy.
Her academic journey includes an exchange at RMIT in Melbourne, where she studied Shelter & Settlements in Disaster. She is the founder of Women in Architecture, a research project supported by several foundations, exploring practice across Europe and Australia. Nanna is also engaged in voluntary work with Architects Without Borders and contributed to the 2023 UIA Pavilion in Copenhagen.
My name is Onur Demir, and I am a recent graduate of the Urbanism and Societal Change master's program at the Royal Danish Academy. I hold a bachelor's degree in Architecture from Istanbul Technical University. With a strong foundation in architecture and a deep passion for cross-cultural collaboration, I have consistently sought opportunities to engage in collective and participatory design processes.
Throughout my academic journey, I have participated in numerous workshops centered on making practices in public spaces, where the act of "making together" served as a tool for shaping shared environments. My work focuses on narrative-making through architecture and urbanism, I explore how collaborative making practices can foster community, inclusivity, and belonging.
Lecturers
Visa
デンマークはシェンゲン圏であるため、90日以内の滞在であれば日本人はビザを申請する必要はありません。スタディプログラム前後にデンマークを含むシェンゲン圏をご旅行される場合は、滞在期限が過ぎないようご注意下さい。
Insurance
渡航前に、海外旅行保険に加入しておくことを強くお勧めいたします。指定の保険会社等はございませんが、スタディプログラム期間をカバーするものであれば、多くの場合1万円以内で加入することが可能です。
Money
デンマークで使用されているお金は、デンマーク・クローネ(DKK, kr)です。1DKKは約20.1円(2023年6月現在)です。
デンマークはカード社会なため、普段現金を見かけることは多くありません。
ですが、まれにカードに対応していない店等もあるので、現金を準備しておくことをお勧めします。
ATMは、ほとんどの場合銀行の外壁に取り付けられており、24時間使用することができます。
Transport
主な交通手段は自転車です。自転車道が整備されているため、快適に移動することが可能です。
通常の生活は自転車で行ける距離で事足りますが、少し遠出をする場合には、公共交通機関を利用します。
首都圏で使われている公共交通は大きく分けて3つで、DSB、movia、Metroです。
DSBとMetroには自転車を持ち込むことも可能です。
地方では電車とバスが主な公共交通機関です。土日はバスは一日一本しか走っていないことなどもよくあるので、注意が必要です。
Safety
デンマークは非常に治安の良い国で、夜も問題なく外出することができます。大きな犯罪などもあまり耳にしません。まち中でデモが行われても、暴力騒動になどに発展することは極稀です。しかしながら、スリなどに遭う日本人の被害届は跡を絶ちません。過去のJaDAS参加者にも被害にあった方がいます。安定した国であるため油断してしまいがちですが、あくまでも海外にいるということを忘れず、常に貴重品の管理を注意深く行うようにして下さい。
Climate
1年通して日本より気温の低いデンマークは、夏場は非常に快適に過ごすことができます。湿度も日本より低く、雨に濡れてもすぐに乾きます。寒暖の差が日本より激しいため、状況に合わせて気軽に着脱できる服装を準備しておくことをお勧めします。特に朝や夜は肌寒く感じることが多いので、上着を忘れずにお持ち下さい。